「株主優待投資って、優待がもらえる以外に特徴はあるの?」
「良いことばかり言っているけど、デメリットだってあるんじゃないの?」
こういった疑問にお答えします。
株主優待制度を導入している企業への投資は実に魅力的ですが、 導入していない企業への投資をする場合と比較して、どのような違いがあるのか知っておきたいですよね。
私の考えるメリット・デメリットを書き出してみます。
株主優待投資のメリット
株主優待が貰える
冒頭で「優待がもらえる以外に」とあるにも関わらず一番目にもってきてしまいましたが、これこそ優待投資を行う理由そのものです。
お米や日用品をもらえば家計が助かります。
食事券があれば、ちょっと外食で贅沢できますよね。
テーマパークの優待券があれば、家族で出かけるキッカケにもなります。
また、配当金だけを貰うことよりも、自分が株主であることを実感しやすいのも良いところだと思いますね。
自然と分散投資になる
小額での投資の方が利回りが良くなるため、自然と投資先を分散する事になります。
いろんな会社に投資した方が、もらえる優待品の数も増えますからね。
利回りについては、こちらの記事で解説しています。

特定の会社に集中して投資した場合、その企業の業績が悪化して株価が下がった時に、大きく損をする事になります。
投資先が分散することは、リスクを分散させるという事になるのです。
株価の下支えとなりやすい
企業が業績を落とせば、株価が急落するという事が起こります。
しかし株価が下がるほどに、利回りは上昇していきます。
利回りの面で魅力的な価格になるのを待っている人達は、このタイミングで買いにきます。
株主優待がある企業は、配当のみの企業よりも利回りが大きくなるため、ある程度まで下がったところで踏みとどまる事が多いのです。
しかし、株主優待を導入する企業はかなり多くなってきているため、このメリットは弱くなっている気がしています。
投資が長続きしやすい
相場というものは、上昇と下降を繰り返します。
上り調子の時には良いですが、下落が始まってくると、長期間に渡って損をした状態が続くことがあるのです。
損をかかえた状態で株を保有し続けるのは、なかなか辛いことです。
途中で心が折れて、つい安値で株を手放してしまうことも起こるでしょう。
そんな中で「売らずに持っていれば株主優待が貰える」というのは大変ありがたいのです。
長期保有者には内容を優遇する会社もありますので、それも売りたくなる気持ちにブレーキを掛けてくれます。
長い冬を越えれば、かならず春がやってきます。
市場全体が沈んで、業績以上に安値をつけてしまっている時に手放すのはもったいないのです。
優待株は、そんな状態でも継続するモチベーションの維持に役立ってくれるでしょう。
税金面で有利
配当金には約2割の税金がかかります。
正確には所得税・住民税・復興特別所得税を合わせて、20.315%の税金を取られます。
厳密には株主優待でもらう品にも掛かるようなのですが、金券以外は金額換算がむずかしいものが多いことに加え、雑所得で20万円以内であれば申告不要であるため、実質非課税のようなものになります。
株主優待だけで生活をしているようなパワフルな資金力をもった方は申告しているのかもしれませんが、私もそれなりに優待を受け取っていますが、とても年間20万円には届いていません。
株主優待投資は、税金の面で有利だといって良いと思います。
以上が私の考える優待投資のメリットです。
次はデメリットについてお話します。
株主優待投資のデメリット
廃止リスク
これが優待投資の最大のリスクと言えます。
優待を出すかどうかというのは、会社側のさじ加減です。
ですが、株価というのは優待を含めた利回りを前提にした価格になっている事がほとんどです。
それが優待内容の改悪であったり廃止されたりとなると、利回りが大きく落ちるため、株価は大幅に下がる事になるのです。
株主優待品を出すというのは、企業もそれなりのコストを掛けています。
かなり太っ腹な優待品を出している企業もありますが、業績が落ち込んで維持できなくなれば、あっさり廃止という事もあり得ます。
業績を落とし続けている企業や、あまりに高い利回りになる気前の良い企業には、注意が必要でしょう。
業績を無視してしまいがち
そうは言っても、優待品はやはり魅力的です。
この優待品が欲しい!と思ってしまったら、不安要素があったとしても見て見ぬ振りをしてしまう事があります。
恋は盲目なのです。
どれだけ欲しい優待品がある企業でも、業績を無視して投資してはいけません。
大きく資産を増やす事は期待できない
これは1-2で語った内容と間逆のものになってしまいます。
株式投資とは、誰もが資産を増やすために行っていると思います。
資産を大きく増やすために必要なことは「大きく上昇する株」を「たくさん」保有することです。
つまり、ある程度は集中投資が必要になるわけです。
株主優待投資では自然と分散投資になりますので、リスクを散らしてくれる半面、大きな資産増は期待できません。
とは言え、集中投資で利益をあげるためには相応の企業分析能力が必要です。
優待株の分散投資は、私のような能力の低い人間でも資産を増やしやすい投資法だと思いますので、どちらを選ぶのかは投資をする本人の判断になるかと思います。
奥様への理解が得られやすい
投資法そのものとは少し話が違いますが、もう一つメリットを付け加えます。
株式投資を行いたいものの、奥様の理解を得ることができずに、スタートラインにすら立てないということもあるかと思います。
「お金が減ることだってあるんでしょ?」
「ギャンブルをするなんて!」
投資を行うには、最低限の適正があるかと思います。
自らが家計の管理をしているか、そうでなくとも自分のお金は支出をしっかり把握できているのか。
それが出来ていない方は地道に運用することすら難しいでしょうから、奥様の言うことが正しいのかもしれません。
しかし、そうではないのに投資というだけで反射的に反対されるようなケースがあるでしょう。
優待品は生活に役立つものが多いですから、奥様にとっても有益と思ってもらえれば受け入れてもらいやすいのではないでしょうか。
まとめ
分散投資は低リスクでの運用がしやすいが、大きく資産を増やしていく事はできない。
利回りの高さから株価下落に歯止めがかかりやすいが、優待の廃止等になれば、一気に損が膨らむことがある。
優待目的の投資であっても、業績には注意が必要。
長期保有者の優遇もあり、投資を継続しやすい。
生活に役立つ優待品は、奥様に認めてもらいやすい。