株式投資の利益には税金がかかります。
株の売却益や配当金に対して2割以上の税金が取られるのです。
10万円の利益に対して2万円以上のお金が持っていかれてしまうのはきついですよね。
国はできるだけ税金を取りたい。
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しかし国民には投資をしてもらいたい。
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じゃあ低額投資を非課税にすればいいやん!
こんな流れだったのかは知りませんが、2014年からNISA(ニーサ)という制度が導入されました。
年間の投資額に上限がありますが、利益に対してかかる税金をタダにしますから投資してねというものです。
株式投資をする上で、税金はもっとも大きなコストになります。
これを非課税にできる制度を国が用意してくれているのですから、使わない手はありませんよね。
NISA(ニーサ)について解説します。
株式投資の税金
株式投資による利益の税率は20.315%です。
所得税が15%・住民税が5%に加えて、復興特別所得税というものがあります。
東日本大震災の復興のために2037年まで課税される予定の税金です。
これの税額が所得税の2.1%となっており、15%×2.1%で0.315%になります。
全てを合計すると20.315%になるのです。
この税率が、株式を売却した時の値上がり益と配当金にかかって税金が徴収されます。
値上がり益というのは、例えば株価1000円の銘柄を100株購入したとします。
それが1500円に値上がりしたので売ると、差額500円×100株で5万円の利益ですよね。
税金はこの5万円に対してかかるのです。
この場合、5万円×20.315%=10,158円(端数切り上げ)が税額となり、差額の3万9842円が税引き後の利益になります。
実際には証券会社の手数料もあるため、もう少し少なくなりますけどね。
税の負担はかなり大きいんです。
NISA(ニーサ)という制度
2014年から少額投資非課税制度というものが始まりました。
もともとは海外でISAという名称で普及していた制度で、イギリスが発祥のようです。
これが日本に導入された時に、日本版ISAとして、NISA(ニーサ)という愛称が付けられたのです。
名前の通り、非課税で投資ができます。
「小額」となっているように、非課税で投資できる金額には上限があります。
大きな資金を動かせるお金持ちには恩恵が小さく、私たちのように小さな資金でしか投資できない層には恩恵が大きいんですね。
すばらしい制度です。
さらに、2018年からはつみたてNISAという制度も始まっています。
NISAとつみたてNISAにはそれぞれ違う特徴があるのですが、どちらか片方しか口座を作ることができません。
さらに、口座は銀行でも証券会社でも作ることができるのですが、どこかに一つしか開設する事ができません。
どこにNISA口座を作るかは、よく選ぶ必要があります。
当サイトでは、手数料の安いネット証券で開設することをおすすめします。
口座選びは以下の記事で解説しています。
drys4.com/kouza/
NISAとつみたてNISAの比較
NISAとつみたてNISAの大きな違いは3つあります。
NISA | つみたてNISA | |
非課税投資枠 | 120万円/年 | 40万円/年 |
非課税期間 | 最長5年間 | 最長20年間 |
対象商品 | 上場株式 投資信託等 | 長期投資向きの厳選された投資信託等 |
非課税投資枠というのは、1年間に投資できる上限の金額です。
これを超えた場合には課税される普通の口座で取引をする事になります。
NISAの方が大きな金額が投資できます。
NISAの投資枠は年間120万円ですが、そこで20万円の投資を行った場合、残りは100万円になりますね。
購入した20万円の投資商品を売却したとしても、投資枠は復活しません。
一度利用した残りの100万円のままです。
枠を残したまま1年経ってしまった時に、それを翌年に繰り越すことはできません。
どちらにも投資商品を購入してからの非課税期間が決められています。
途中で売却しない限り、NISAであれば購入から5年、つみたてNISAであれば20年間で得た利益が非課税の扱いにしてもらえます。
非課税期間を過ぎると、その後は普通の課税口座に移すか、ロールオーバーといって次の非課税投資枠で投資をするのかを選ぶことになります。
長期で運用することを考えたら、つみたてNISAの20年は魅力的ですね。
投資の対象商品は最も大きな違いです。
NISAは個別の株式でも投資信託でも購入することができますが、つみたてNISAは投資信託のみになっています。
その投資信託も、長期投資向きの低コストな商品ばかりが選択肢となっており、どれを選んでも長期で保有すれば高確率で利益を出せるものになっているようです。
加えて非課税期間が20年もあるため、投資で利益を出すことを考えたらつみたてNISAに優位性がありそうです。
しかし株主優待を目的とする場合、個別株を購入しなければ優待を受けられません。
そのため、私はNISAを選んでいます。
ただし、NISAは現時点では2023年までの制度となっています。
延長されるのかもしれませんが、されなかった場合には、その後はつみたてNISAのみの選択肢となります。
つみたてNISAは2037年まで続きます。
配当金も非課税にできる
NISA口座で保有している株式は、受け取る配当金も非課税にする事ができます。
これには条件があり、配当金の受け取りを「株式数比例配分方式」というものに設定しておく必要があります。
なんだか難しい言葉ですが、証券口座で配当金を受け取りますというだけの事です。
銀行振り込みなど、他の方法で受け取ると課税されてしまうので注意が必要です。
NISAのデメリット
NISAにも一つのデメリットがあります。
株式投資で利益が出れば課税されますが、逆に損失が出た時には、損した額を利益から差し引いて税金を減らすことができるんです。
これを損益通算といいます。
NISA口座で出した利益はすべて非課税になりますが、この損益通算はできないのです。
つまり、NISAでマイナスになった分はまるまる損なのです。
NISAで購入する銘柄は、よく考えて選びたいですね。
ジュニアNISAという制度もある
NISA・つみたてNISAと別に、ジュニアNISAという制度もあります。
これは本人ではなく、自分の子供名義で運用する分を非課税にできるものです。
NISA口座の対象者は日本在住の20歳以上となっていますが、ジュニアNISAは逆に0~19歳が対象です。
投資枠は年間80万円
非課税期間は5年間
対象商品は上場株式と投資信託
となっており、つみたてNISAよりもNISAに近い形になっています。
大きく違うのは、18歳まで払い出し不可となっている事です。
途中でお金を引き出そうとすると、課税されてしまいます。
教育資金のためのような制度ですね。
対象商品に上場株式も含まれるので、この制度を使って、子供名義で株主優待を受けることもできます。
気になるのは、口座開設期間が2023年までとなっている事です。
18歳まで払い出しできない形なのに、2016年から開始された制度が2023年に終了予定とはどういうことなのでしょうね?
延長されなければ、0歳から18歳まで恩恵を受けれる家庭は一つも存在しない事になってしまいます。
まとめ
株式投資には20.315%の税金がかかる。
NISA口座で購入すれば非課税になる。
NISAとつみたてNISAは大きく特徴が違う。
NISA口座は損益通算できない。
ジュニアNISAは教育資金積立向き。
投資をする上で最も大きな負担となる税金をなくしてくれるのですから、利用しない手はないと思います。
投資信託で地道に積立投資をするのも、株主優待を目的に個別株投資をするのも自由で、素晴らしい制度ですね。