※2019年4月5日更新
配当金とともに優待品を受け取ることが出来る魅力的な株主優待投資ですが、どうすれば優待品を受け取れるようになるのでしょう。
実は優待取得のためには、株を1年中保有しておく必要はありません。
優待を受け取る権利を取れる日というものがあります。
いつ保有しておけば優待を貰えるのかは知っておきたいですよね。
解説します。
優待を貰うための権利確定日がある
株主優待を受け取る権利を得ることができる日があります。
1年中保有していなくても、その1日だけ株を保有していれば優待を貰えるのです。
逆を言えば、364日保有していたとしても、その1日だけ売却してしまっていたら、優待を貰えない事になってしまいます。
権利を得ることができる日はどうやって知れば良いのでしょうか。
写真館のスタジオアリスという会社を例にしてみます。
年に1回、自社で使える写真撮影券をいただける会社です。
小さな子供がいる家庭では、とても嬉しい優待品ですね。
スタジオアリスの公式HPでは、「毎年8月31日現在の株主の皆様に対して」との記述があります。
「なるほど!それなら8月31日に株を買って、9月1日に売れば優待をもらえるやん!」
と思ってしまいそうですよね。
違うのです。
8月末権利となっている優待の権利を取れる日は31日ではありません。
どういう事なのでしょう。
権利確定日に購入しては遅い。
「権利確定日」の他に「権利付き最終日」「権利落ち日」という日があります。
このうち、「権利付き最終日」というものが重要なのです。
権利付き最終日 | 権利確定日の3営業日前。 この日に株を保有しておく必要がある。 |
権利落ち日 | 権利付き最終日の翌日。 権利確定日を迎えていないが、すでに権利を取れるようになっているため、株を売却しても優待は貰える。 |
権利確定日 | 配当や優待を受け取る権利が確定する日 |
株を購入してから、株主として株主名簿に記載されるまでに2営業日かかるようです。
そのため、権利確定日の3営業日前に保有しておかないと、権利確定日に間に合わないのですね。
営業日というのは、株の売買ができる日を意味します。
土日祝日を含めないで考えなければなりません。
優待をもらうには「権利付き最終日」を意識する必要があるんですね。
※2019年7月16日から、権利付き最終日は確定日の2営業日前へ変更となります。
優待目的のみで売買を行う場合、権利取り前に売ってしまう事がないよう、注意が必要です。
8月末が権利確定日の場合、いつ保有していれば良いのでしょうか。
2018年(平成30年)8月のケースで見ると、31日は金曜日です。
土日祝日をはさむ事がないため、単純に3日前の28日が権利付き最終日となります。
2018年8月は、28日に保有していれば29日には手放しても優待がもらえるんですね。
それでは、土日祝日があるケースだとどうでしょう。
翌月の2018年9月は、月末の30日が日曜日となっています。
土日を除いた3営業日前だと、9月25日が権利付き最終日となります。
毎回カレンダーで日付を確認するのはなかなか面倒です。
SBI証券では、権利確定日と別に権利付き最終日まで明記してくれています。
さらに各社公式HPの株主優待ページへのリンクまで用意してくれています。
とても親切です。
※これらの情報を見るには、証券口座を開設する必要があります。
長期保有を条件にしている会社もある。
権利付き最終日だけ保有して優待をもらおうとする株主への対策として、優待の条件を長期保有者に限定している企業があります。
例えば、自動車用品の販売で有名なオートバックスセブンがそうですね。
公式HPには「保有期間1年未満の株主様への株主優待品の進呈はございません」と記載されています。
長期で保有していなければ、権利付き最終日に保有していたとしても優待は受けられませんので注意しましょう。
条件については公式HPを確認するのが一番ですが、Yahooファイナンスや各証券会社のサイトでも見ることが出来ます。
株を購入する前には、調べておくと良いでしょう。
近年、長期保有の条件を追加する企業が増加する傾向にあります。
優待目的だけで保有し、すぐに売られるのを嫌がっているわけですね。
優待欲しさに1日だけ保有するのは危険。
長期保有などの条件がない会社では、1日保有するだけで優待がもらえる事がわかりました。
「それなら投資してすぐ売ってを繰り返せば、毎月優待が貰えるやん」
と思いましたか?
確かにその通りです。
そうすれば毎月なにかしらの優待品がもらえますね。
しかし多くの人がそう考えます。
そのため、翌日の「権利落ち日」にはたくさんの売りが入り、株価が大きく下落するという事が高確率で起こります。
その時の相場環境もありますので、配当と優待をゲットした上に株価まで上がるというラッキーに遭遇する事も稀にありますが、 多くの場合は配当+優待価値を超えるほどに株価が下がると思った方が良いでしょう。
せっかく優待品を貰っても、それ以上に損しては意味がありませんよね。
魅力的な優待銘柄は、権利日の1ヶ月以上前から人気が高まり、株価がじわじわと上昇する傾向にあります。
権利付き最終日には、通常時に比べてかなり高値になっている事が多いのです。
そんな時に買ってしまっては損する可能性が高くなります。
「そんなにわかりやすい値動きなら、先回りで買って権利前に売れば儲かるけん楽勝やんか!」
はい。私もこう考えました。
人気の優待株を早めに確保して、権利取り前に売って簡単に儲けてみようと・・・
しかし株式市場にいる百戦錬磨の猛者たちは、それをあざ笑うかのように数日前に大きく売り込んできました。
ならばもっと早く利益を確定させれば・・・と思うと、今度は2週間以上前に売られ、損をさせられました。
短期の値動きというのは本当にわかりません。
まるでこちらの心が見透かされているかのように、何もかも裏目にさせられます。
私のようにトレードが下手な人間は、普段の値動きなど気にせずに長期で持っておく方が安全なのです。
長期保有の条件を追加する企業が増加しているという事は、企業側は短期で売買されるのを嫌がっているわけですから、 株主として会社を応援する意味でも、優待を楽しみにのんびりと構えていましょう。
優待品はいつ届く?
権利確定日から、大体2~3ヶ月の時期に届くものがほとんどです。
スタジオアリスの場合だと、8月末の権利確定で11月のどこかで届く感じですね。
お米を優待品にしている企業などで、株主に新米を食べてもらいたいとの思いから、収穫時期の発送となっているものもあります。
その場合だと半年以上待つケースもありますので、気長に待つのが良いで しょう。
優待品はちゃんと送られてきますよ。
まとめ
株主優待をもらう権利を確定する日がある。
優待をもらうには、権利確定日の3営業日前に保有していなければならない。
土日祝日があるかどうかによって権利付き最終日が変化するので注意。
長期保有が条件になっている会社は、1日だけの株主では権利を取れない。
権利落ち日の株価下落には要注意。
権利取りから優待品が届くまでは2~3ヶ月。気長に待とう。